Section2: ListUp
1. Regulation : 規制動向
●米SEC、EOS発行企業Block Oneへ未登録ICOで罰金
「トークンの返金」や「SECへの再登録を要求」の罰則は無し
●米SEC、Siacoin発行企業へ未登録有価証券販売で罰金
対象はSiacoinではなく5年前の2014年に発行した「Siafunds」と「SiaNotes」
「トークンの返金」や「SECへの再登録を要求」の罰則は無し
●米フィラデルフィア連銀総裁、中銀のデジタル通貨発行は不可避と言及
FRBとして発行へむけて動くべきと主張
発行時期については、米ドルの位置付けを踏まえ最初の発行国になるべきではないとする
米下院議員からも、他国や民間企業が発行した場合の米ドル不安定化を懸念しデジタル通貨発行を促す発言
●金融安定理事会FSB議長、ステーブルコインむけ規制の策定へむけた活動中と言及
仮想通貨およびステーブルコインの潜在的なスケールが、規制上の課題をもたらすことを懸念
策定・評価完了後、G20へ報告予定
●英FCA、個人投資家むけ仮想通貨デリバティブ禁止にむけた協議完了
ボラティリティなどの面で投資家保護の観点で容認できず
禁止対象は、先物・オプション取引・差金決済取引・上場投資証券
2020年初めに方針決定予定
合法化を明確にすることによって、トレーダーからの税収入増加を見込む
●金融庁、仮想通貨を投資対象とした投資信託の組成は適切ではないとの方針案を公表
投機を助長する懸念ありとの見方
「国民の長期・安定的な資産形成手段として特別の制度的位置付けを与えられたもの」という趣旨に照らして適切ではないとの考え方
仮想通貨は法律で禁止されている「金銭・有価証券」に当たらないとの判断
仮想通貨で政治家個人が献金を受けた場合に、政治資金収支報告書には記載されないという課題も
開示義務や、二次流通市場整備に向けた規制の在り方について提言
セキュリティトークンの権利内容自体が「2項有価証券」と変わらないことから、「1項有価証券」よりも規制が緩やかな「2項有価証券」の開示規制を適用すべきであると提言
第一項有価証券に該当するセキュリティトークンの二次流通市場の整備を提言
2. Crypto Adaptation: 暗号通貨の普及・応用
●有価証券性を評価するCrypto Ratings Council (CRC)が創設
CoinbaseやKrakenなど大手交換業者・カストディアン等が参加
発行体が提示する情報に基づき有価証券性評価
Bitcoinなど主要な仮想通貨についての評価結果を公開
口座に保有するUSDCに対して年利1.25%付与
トレーディング・カストディ業務・資金管理・投資などからの収益を充当
その場で他の仮想通貨購入に充てることも可能
発展途上国のユーザーからの需要を見込む
CoinbaseやBinanceに続く動き
ステーキング参加によって固定収入を期待
DASHやALGOが対象
マネロンガイドライン準拠へむけてCoinfirmと提携
Coinfirmのリアルタイムリスク分析・アラートプラットフォームを統合予定
●Binance、30種類の通貨ペアについて仮想通貨取引廃止
プロジェクト側の要求による廃止
過去の廃止では、プロジェクト進捗遅延などに基づき取引所側の判断
BitcoinおよびEthereumを裏付けとしたバスケット型ETP(上場投資商品)
組成比率はBitcoinが9割、Ethereumが1割
仮想通貨の合計時価総額の75%を捕捉
ペトロ・BTC・ETH・DASHに対応
国際送金やインフレ抑制が目的
クリプト以外のテック起業家へのレクチャーを通じて、クリプトプロジェクト立ち上げを促す
Libraプロジェクトに対する支持と対話は継続する意向
創設メンバーのうち離脱は初めて
Visa・Mastercard・Stripeの動向に注目
パートナー数の25社到達でテストネットローンチ
100社到達でメインネットローンチ
カリブラチームの関与は最終的に1%へ
●三井住友カードの決済端末「stera terminal」、ビットコイン決済をサポート
クレジットカードやコンビニ決済など多彩なEC決済システムもサポートする中、その一環としてビットコイン決済をラインナップ
●コインチェック、 ガス料金支払いでビットコインの受け取りなど可能とする「Coincheckガス」開始
電気料金の支払いでビットコインの受け取りと支払いができる「Coincheckでんき」に続くもの
●TaoTao、不正ログインによる顧客損害への補償制度導入を発表
東京日動海上保険とのタイアップ
1回の請求につき最大100万円を補償
2段階認証の設定口座における「なりすまし」が対象
3. Decentralized Finance : DEXやトークンなど
●MakerDAO、Multi-Collateral Daiアップグレードで不具合
MCDはDAI以外のERC20トークンをCDPで扱えるようにするもの
一般ユーザーにはアクセスできないクローズドアップグレードにて発見
MCDシステム中の資金を盗難できる状態であった可能性
●Set Protocol、ステーブルコインDAI/USDCでTokenSet購入可能に
4. Programable Security : プログラマブル証券関連
金商法に基づく認定金融商品取引業協会の認可獲得と、PSに係る自主規制制定が目的
シンガポール証券取引所が支援するPSプラットフォームiSTOXがタイの投資銀行、Kiatnakin Phatra Financial GroupよりRound Aの調達を発表
●Securitizeがpre-trade機能の具体的な説明を公表
5. Financial Institutions : 金融機関による応用ケース
野村HDが、LINEの仮想通貨・ブロックチェーン子会社LVCへの出資を完了
LINE・LVC・野村HDの3社間でブロックチェーン技術を活用した金融サービスの提供を目指す
LINE証券に続き、仮想通貨・ブロックチェーン領域での提携
●モーニングスター、ブロックチェーンベースの債券を評価するシステムを開発へ
ブロックチェーン上でトークンとして発行された債券の評価システム
オラクルを通じて金融関連データをブロックチェーンシステムに取り込む
債券業界の分散型金融ネットワークへの移行を見込む
決済やトークン化・ID・レンディングなど金融Dappsを構築
既存サービスをDappsへ移行
Nervos社と提携
●Santander、公共交通機関をブロックチェーンベースのペイメントで利用可能に
●オランダRabobankによるSelf-Sovereign Identity取組
6. Enterprise/Government : 非金融分野の応用ケース
●WWF、ConsenSysと慈善活動プラットフォームで協業
・慈善活動のキュレーション・出資を支援するプラットフォーム
●Bayer Crop Science、Ant Financialと農産物モニタリング
7. Startup : 個別プレイヤー・アプリケーション
●bPassport、bitFlyer BlockchainによるIDシステム
●UniswapEX、Uniswap上でリミットオーダーができるDEX
8. Articles : 論考
●SWIFTのカンファレンスSibosに見る「新しい金融」トピック
Sibosは、1万人以上の参加者が世界中の金融機関から参加し、金融機関とFinTech企業が600名以上登壇するイベントで、今年はロンドンで開催された
ネットワーク効果を狙った「オープンバンキング」がバズワード。オープンAPIを通じて、サービス共有やプラットフォーム・エコシステム創造を図るもの。一方、アンバンドリングが進む中、クリプトの文脈でレンディングなど「オープンファイナンス」が分散型で進んでいる
もう一つのキーテーマは、バンキング向け「デジタルアイデンティティ」。検証可能な資格証明や、KYC/AMLに注目集まる中、uPortがPwCならびにOnfidoとの提携を通じて、顧客オンボーディングプロセス効率化へ進むことを発表
金融機関の中で、バックエンドプロセス効率化のみならず新規ビジネス創造へ向けたブロックチェーンへの理解が進んでいる点も大きな潮流。金融商品のトークン化を通じてデジタル市場をつくる動きがホットに。例えばSociete Generale やSantanderがパブリックEthereumで債券発行するなど
●国際電気通信連合(ITU)、ブロックチェーンのアドプションにむけたガイダンス発表
●日銀のデジタル通貨発行、「大いにある」と日銀出身のエコノミストら
9. Future Events : 注目イベント
●DeFi Summit(9/10–9/11 at London)動画リンクはこちら
●Sibos 2019(9/23–9/26 at London)動画リンクはこちら
●b.tokyo2019(10/2–10/3 at Tokyo)
●Devcon5(10/8–10/11 at Osaka)
●Decentralized insurance D1Conf(11/5–11/6 at Malta)
●ISDA Technology Forum(11/6 at London)
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