Section2: ListUp
1. Regulation : 規制動向
●ニュージーランド内国歳入庁(IRD)、給与を仮想通貨で受け取る場合の課税ガイダンス提供
仮想通貨による給与支払いを合法とする判断のもと課税ガイダンスを発表
課税対象となる仮想通貨は、法定通貨へ直接交換可能・通貨同等に機能・1つ以上の法定通貨に価値がペッグするもの
●米国内国歳入庁(IRS)、仮想通貨取引収入の不正確な申告を行なった納税者へ警告の手紙送付
●FATF、暗号通貨取引情報の共有システム開発への関与を否定
●米SEC、VanEck等から提案中のビットコインETF判断を10/18まで延期
2. Crypto Adaptation: 暗号通貨の普及・応用
NYDFS、Bakkt Trust Companyに対して、機関投資家むけBitcoin先物契約と併せてカストディサービス提供を承認
リテールに比べて参加が遅れている機関投資家むけマーケットについて、先物契約をサポートするBitcoin向けカストディアンBakkt Warehouseの導入からスタート
Bakktは先日米SECのHester PeirceコミッショナーをDigital Asset Conferenceに招いて、Bitcoinなどデジタルアセットの将来や規制についての対談あったばかり(ポッドキャストはこちら)
●Monolith(もとTokenCard)、Daiを利用可能なデビットカード発行
MonolithはEthereumベースの代替バンキングプラットフォーム
このたび、Visaペイメント受入店舗においてDaiで支払い可能とするVisaデビットカードを発行すべくMakerDAOと提携する意向を発表
現時点においてデビットカードは欧州域内でのみ発行予定
●サムスン、KeyStore SDKでビットコインをサポート追加
Bitcoin、Ethereumのほか、カカオの仮想通貨Klaytnをサポート
利用できる端末はGalaxy S10eなど6機種で、利用できる国は韓国・カナダなど7カ国
●Coinbase、150倍レバレッジの取引所Bladeに出資
●Binance Jersey、欧州域内の取引増へポートフォリオ管理プラットフォームCaspianと提携
3. Decentralized Finance : DEXやトークンなど
●rDAI(redeemable DAI)、Compoundのマネーマーケットレンディングによる金利収入のみをコミュニティファンドやチャリティや利用しているdappへ譲渡可能
Compoundへ預けられてcDAIが発生し、DAIの持ち主にはrDAIが渡される。
持ち主はいつでもrDAIを元のDAIに戻す事が可能
CompoundのCトークンの様に、rDaiではRトークンによって所有者が本来の権利を持ち、得た金利はrDAI発行Pool側に渡される。
CompoundのcDAIは、DAIをレンディングサービスに預け、報酬としてcDAIホルダーはレンディングの借り手から得られる金利収入の一部が得られるもの
●Huobi Wallet、Compoundおよびその関連トークン(cToken)のサポートを追加。ウォレット中の暗号通貨を活用して金利を稼ぐことが可能に
●Compound、アセット追加へむけ2週間のコミュニティ投票開始
●How Decentralized is “Decentralized Finance”?
4. Programable Security : プログラマブル証券関連
昨年8月に発行されたtZEROトークンがロックアップ期間を経過し、一般投資家でも購入が可能に
P2Pでのトーレディングは認められておらず、DinorアカウントからtZEROトークンを持ち出すことも禁止
スイス証券取引所がPSプラットフォーム開発のため設置した子会社SDXのCEOMartin Halblaub が経営戦略の不一致を理由に退任することが判明。本家のスイス証券取引所と戦略が合わなかった模様
MartinとしてはSDXの独立を希望したものの、SIXが独立を認めずグループ傘下に留まるよう求めた点に要因があるとされている
バミューダの政府高官のtweetによるとbitbond社のceoがバミューダ政府を訪問し、bc上での債券発行に向けて協議を行った模様
バミューダは譲渡制限や鍵管理などの法制度も進めており、Digital Bond発行可能国としてポジションを築く方針
● PrimeTrustが元Wyoming州銀行監督副責任者を採用へ
Prime Trustが元Wyoming州銀行監督副責任者のAmanda Ortegaを社内政策戦略責任者として採用した
彼女はWyoming州がブロックチェーン先進州として有名にした改正銀行法に携わったblockchain regulationの第一人者
B2Bでカストディやエスクローサービスを提供する企業として、コンプライアンス戦略を強化していることをアピールすることが狙いである、と関係者が説明
5. Financial Institutions : 金融機関による応用ケース
現金は偽造が可能であり、マネーロンダリングやテロ資金に使われる恐れがある一方、電子マネーは匿名決済などのニーズに対応しきれていないといった課題がある
また、先般のLibraの発表を受けて各国の中央銀行が懸念を示している中にあって、中国人民銀行もその一つであり、Libraは外国通貨として外国為替管理フレームワークのもとにおかれるべきとしている
そうした課題認識のもと、中国人民銀行は2014年から5年をかけて中銀デジタル通貨の準備を進めてきたとされるが、このたび「いつでも発行できる状態」であることを明らかにした
現金および電子マネーの問題点をクリアするツールにもなるものとして、中銀デジタル通貨は両者のの「いいところ取り」を狙っている
銀行などの金融機関にデジタル通貨を発行した上で、金融機関が一般消費者に対して、法定通貨と交換する形でデジタル通貨を提供する「二階層モデル」をとるとのこと
ブロックチェーン技術だけを用いるのではなく、複数技術を組み合わせることでピーク時の取引処理速度へ対応する意向
特許によれば、消費者や事業者がモバイルウォレットをダウンロードし、中国元をデジタル通貨にスワップし、送受金に使うことができる。なお、そのマネーが人の手を変わるたびに、中銀によってトラッキングすることが可能となっている模様
●ASB Bank、トレードファイナンスプラットフォームTradeWindowへ投資
●豪州証取ASX、分散台帳によるCHESSシステムリプレイスのロールアウトを2021年に予定
●独の製造業Durrグループ、ブロックチェーンベースのシンジケートローンで資金調達
●韓国の新韓銀行、Kakaoとブロックチェーンベースの情報セキュリティシステム開発へ
●三井住友信託銀行、ブロックチェーンを活用した不動産ビジネスのプラットフォームを構築する実証実験を開始
6. Enterprise/Government : 非金融分野の応用ケース
●モスクワ市、Ethereumベースのオークションシステム構築
●韓国SKグループ、独自ステーブルコイン
●ウォルマート、ドローン機体間の情報同期へのブロックチェーン利用で特許
●Pfizerなど主導の医薬品サプライチェーンKitchain、PoC完了
●Etihad航空、スイスの旅行業界ブロックチェーンプラットフォームWinding Treeと提携
●米国議会、ブロックチェーンのエネルギーセクター活用を研究
●関西電力、Powerledgerとの協働で余剰電力取引へ
●電通、ISIDおよびシビラと教育分野におけるコミュニティの可視化と長期的な関係維持を検証
●GMOコイン、琉球フットボールクラブおよびグッドラックスリーとファンクラブサービス「FC琉球コイン」開発へ
7. Startup : 個別プレイヤー・アプリケーション
●CurioInvest、Ferrariなど高額かつ工場から直販でありまた恒常的メンテナンスが不可欠なため手が届きにくい高級自動車への投資を可能とするプラットフォーム
●Tornado.cash、Ethereum匿名送金できるツール
●Silvergate Bank、クリプト企業むけに暗号通貨を貸付
●BlockBase、NFT売買マーケットプレイス構築オープンソース「Satellites」公開
8. Articles : 論考
●Facebook仮想通貨「リブラ」は本当に危険か?グローバル金融システムの破壊者にはなれない
9. Future Events : 注目イベント
●Web3 Summit (8/19–8/21 at Berlin)
●ScalingBitcoin (9/11–9/12 at Tel Aviv)
●Baltic Honeybadger 2019(9/14–9/15 at Riga)
●Starkware sessions (9/16–17 at Tel Aviv)
●b.tokyo2019(10/2–10/3 at Tokyo)
●Devcon5(10/8–10/11 at Osaka)
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