医療情報の関する法制度の検討動向/技研商事インターナショナルのエリアマーケティング支援・中外製薬のSnowflake導入・尾道市の人流データの取得・分析・トヨタ自動車の車外画像データ収集
LayerX PrivacyTech Newsletter (2022/04/13-04/19) #151
今週の注目トピック
Takahiro Hatajima(@th_sat)より
医療分野における医療情報の保護と利活用に関する法制度の検討動向を紹介します。
あわせて、データ利活用最前線として、技研商事インターナショナルのエリアマーケティング支援/中外製薬のSnowflake導入/尾道市の人流データの取得・分析/トヨタ自動車の車外画像データ収集などを紹介します。
Section1: PickUp
●医療情報の利活用に関する法制度に関する検討動向
一般社団法人次世代基盤政策研究所(代表理事:森田 朗 東大名誉教授)はこのほど4月11日に、「医療情報の利活用に関する法制度についての提言」を公表した。医療データの利活用を推進すべく、データの「取得の規制」から「利活用(アクセス)の規制」へと発想を転換すべきなど計8項目を提言し、その実現のため特別法の制定を求める内容となっている(出所:https://www.m3.com/news/open/iryoishin/1036034)。
現状、医療情報に適用される法令の全体図は以下のようになっている。
本稿では、次世代基盤政策研究所が発表した「医療データ利活用のための制度の提案」(https://www.nfi-japan.org/recommendation)をもとに、その概要を紹介したい。
提言では、冒頭、「医療データの利活用の必要性と課題」を整理する中で、次のように課題提起している。
現行の個人情報保護制度の下では、データの取得と利活用に当たって「同意」と「匿名化」が有効なデータがもつ価値の最大化の障害となっていると考えられる。
医療分野においては「同意」は必ずしも本人の保護策として充分なものとはいえず、不可逆的な「匿名化」も医療分野の研究や医薬品開発にとって大きな制約となっている。
まず、課題としての「同意」の限界として、次のように医療の現場の問題意識を掲げている。
現実は、①充分な意思能力を有していない幼児、児童、認知症の高齢者、また②高度の医療に関する専門的説明を理解できない者、医療データの利用の可能性について充分な知識を有していない者、③意識不明、意識混濁等、理性的に判断できない状態にある者等について同意を求めることは、あるいはそのような場合に「黙示の同意」があったとみなすことは、実質的に本人の権利の保護にならないと考えられる。
また、同意が得られると思われる場合であっても、医療現場、とくに救急等の現場において、医師等が、患者の治療に必要な医療データにアクセスするたびに、患者の同意を得ることは大きな負担である上に、それが原因で医師等が治療に必要なデータの取得を躊躇する可能性も否定できない。それは、医療データの有効な利活用を妨げ、患者の利益に反することになる。
同様に、「匿名化」についても、「現行の匿名化の方法では縦断的なデータの比較や解析は困難である」と主張している。
その上で、医療データにおける「同意」と「匿名化」の難しさについて、次のように指摘している。
「同意」と「匿名化」の呪縛が、その利活用による医療データがもつ潜在的な価値の実現を抑制している。医療現場における「黙示の同意」という解釈にせよ、「同意」や「匿名化」が医療機関等の免罪符のように使われており、真の意味における国民の権利や利益の保護になっているのか疑問である。
形式的な「同意」「匿名化」を重視するあまり、それらの実質的な意義を没却するだけにとどまらず、データ利活用で達成されるべき目的を阻害しているといえよう。
こうした現状の制約を解消し、利活用を推進すべく、医療データの価値を最大化する利活用を可能にし、個人情報の保護を実現する制度のあり方として、データ取得における規制ではなく、利活用における規制とするとして、次のように提案している。
すなわち、受診時において発生する医療データの取得に際しては、診療契約にデータ提供を認めるという意思(同意)が包含されているものとみなし、生成された情報は自動的にデータベースに格納されるものとする。
また、取得されたデータの利活用において、そのデータへのアクセスについて厳格に規制を行う。すなわち、利用目的、アクセス権者、データの加工形式について類型化し、その類型ごとに利用目的を限定し、適法な取扱いを規定する、としている。
このように、医療データの取得に関しては、「同意」は不要とすべきという考えを主張したうえで、これまでの仮名加工情報では不十分であると問題提起し、統制されたかたちでの提供に限っている点がポイントだ。
患者の治療や健康管理等を目的として医療データを利活用する 1 次利用の場合には、その治療等に従事する医療従事者は、治療等に必要な限りにおいて、当該患者の医療データにアクセスすることを認める。
研究、創薬、公衆衛生等の目的のために、1次利用で取得されたデータを利活用する2次利用の場合に関しては、可能なかぎり情報の利活用に資する制度とし、機能に応じて類型化し規制のあり方を定める、としている。
2次利用=公衆衛生政策等の立案、医学等における学術的研究、製薬企業等による医薬品、医療機器の開発、民間事業者等によるヘルスケアサービス
2次利用については、国民に対する医療の質を向上させ、医学の発展、創薬等の推進、さらには国民の健康増進を図るべく、特段の本人の意思確認なく利用できる場合を可能なかぎり広範に設定する。その際、医療データを加工した仮名加工情報とすることで、利用を許容する範囲を拡大する。
上記を踏まえ、このほど4月20日に開催された、厚労省の「医療分野における仮名加工情報の保護と利活用に関する検討会(第3回)」(座長:森田 朗 東大名誉教授)においても、「個人情報保護法で定義された「仮名加工情報」の取扱い(ルール)が、医療分野に必ずしもなじまない」 という点を出発点として、議論が行われている。(資料:https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000931089.pdf)
研究、創薬、公衆衛生における医療データの価値を最大化する利活用と、プライバシーの両立にむけて、今後の検討の動向を注視したい。(文責・畑島)
●データ利活用最前線
マイクロソフト、コンプライアンスとデータガバナンス製品を新「Microsoft Purview」に
Microsoftは2021年9月、データガバナンスプラットフォームAzure Purviewの一般提供開始を発表した。
同社は新しいMicrosoft Purviewについて、顧客がデータ資産全体で可視性を得られるようにするほか、クラウド、アプリケーション、エンドポイント全体で機密データの保護と管理を支援する、データのリスクと規制コンプライアンスをエンドツーエンドで管理するサービスと位置付けている。
主な機能として、データの検出、系列の特定、データの分類の自動化などを搭載しており、SQL Server、Azure、Microsoft 365、Power BI 間で機密データに一貫性のあるラベル付けを行うことができるという。
データ放送×視聴データ×エリアの居住者特性データで、テレビCMの集客効果や、反響が高かった層のペルソナを可視化
技研商事インターナショナル株式会社は、昨年実施した中京テレビ放送株式会社が放送する積水ハウス株式会社の企画CMにおけるエリアマーケティング支援について、その分析レポートを公開した。
中京テレビとの共同調査として、コンバージョンとジオマーケティングの2つの視点から広告の効果測定を実施した。
コンバージョン分析は、テレビ視聴、データ放送でのアクション、HPへの来訪・予約、モデルルームへの来場に至る一連の視聴者行動を、視聴データ・WEBアクセスログを統合して解析。
ジオマーケティング分析は、テレビに登録された郵便番号を視聴データにて取得し、CMの視聴、またデータ放送で能動的な行動に及んだ視聴者がどのエリアに多く分布していたかを測定。
当社が保有する、家族構成、住民年齢構成、平均年収などのエリアセグメンテーションデータと掛け合わせることで、このCMがどのようなターゲットに訴求でき、Webサイト訪問やクリック等の行動につながったかを計測。
ジオマーケティング分析では、広告施策参加(QRコード表示)傾向を、居住地特性別に評価した。
地域特性や居住者特性を36のセグメントに分けて具体的に把握できるエリアセグメンテーションデータ「c-japan(R)」を活用し、各セグメントごとに広告施策参加(QRコード表示)率を集計。
c-japan(R)は、日本全国の町丁目/郵便番号界/メッシュを、年齢/家族構成/住宅/就業等や年収/地価、さらに車種別自動車登録台数、チェーン店舗の位置情報の小地域データベースを用いて、当社独自の特許技術により11の中分類・36の小分類にクラスタリング(分類)したエリアセグメンテーションデータ。
中外製薬、Snowflake導入により、保有データの全社利活用を加速
中外製薬株式会社は、スノーフレイクの提供するデータクラウドプラットフォーム “Snowflake” の利用を開始したことを発表。
製薬企業は、医薬品の研究から開発・販売に至るバリューチェーン全体で、膨大で複雑なデータを扱っており、イノベーションの加速には、保有するデータを統合し、各機能が相互利用できる環境整備が重要な課題である。
革新的新薬創出の高度化と加速には、研究本部をはじめ全社で、機密性の高い大規模データの安全かつ迅速な解析環境への適応に課題があり、医療関係者に対する情報提供のさらなる高度化には、組織横断的なデータ統合基盤が必要となっていた。
中外製薬は今後、各部門やプロジェクトが保有するデータをSnowflake上で統合し、当社のデジタル・IT基盤Chugai Scientific Infrastructure(CSI)と連携させることで、全社で利活用できる解析環境の整備を進める。
創薬機能では、信頼性の高い多くの実験データと仮説に基づいたシミュレーションおよびモダリティ横断的な分析等により、医薬品候補物質の評価の加速などデータの価値最大化・生産性向上が期待される。
SNS・イベント・気象データ等の外部データを用いて需要予測に利用できるAPIサービス「ソトミル」、社内データを掛け合わせた分析が可能なダッシュボード機能を4月20日提供開始
アライン株式会社は、2022年4月20日より外部データ提供サービス「ソトミル」にダッシュボード機能「ソトミル.View」を追加したことを発表。
ソトミルはSNS・イベント・気象データなど、企業においてまだ十分に活用されていない外部データをリアルタイムに取得・蓄積し、AIによる独自の分析処理を加えてAPIで提供するサービス。
今後も分析機能の自動化やAutoML(機械学習の自動化)など、システム部門でなくても誰もが使いこなせて高度な意思決定を行えるようにサービス拡張に取り組む。
越境EC No.1の「Buyee」が購買データを見える化する「ダッシュボード機能」を提供開始
BEENOS株式会社の連結子会社で、越境EC 流通総額 No.1の海外向け購入サポートサービス「Buyee」を運営するtenso株式会社は、「Buyee」およびタグ設置のみで海外販売可能な「Buyee Connect」連携企業の海外マーケティング支援を目的として、「ダッシュボード機能」の提供を2022年4月より開始した。
本機能により、海外ユーザーのデモグラフィックおよび購買データをリアルタイムで可視化、売上や注文件数、注文単価などの推移も確認できるようになり、これを用いたデータ分析によって、最適な海外向けマーケティングやプロモーション策定が可能となる。
本機能では自社ECサイトにおける「Buyee Connect」経由の海外ユーザーからの注文情報をリアルタイムでエクスポートできるようになる。
これにより、「どんなお客様がどのエリアからどういった言語を使用して、何の商品を買っているのか?」が可視化され、自社商品の海外需要を掴むことができるという。
閲覧可能な項目には、ユーザー区分(新規利用者/既存利用者)、登録国、選択言語、性別、年齢などのデモグラフィック情報に加え、購入日、購入商品名、購入数量、購入金額といった購買データもあげられている。
「ユーザーレベルデータから脱却せよ」-AppsFlyerが説くプライバシー時代のマーケティング
これまでユーザーの特徴や行動を把握するために活用されてきたIDFAが、プライバシー保護を理由に利用制限が課せられた。アプリマーケターはこの新しい環境にいかに対応すべきなのか。約9万アプリにデータを提供するモバイルアトリビューション企業のAppsFlyerのAPACプレジデント&マネージングディレクターを務めるローネン・メンス氏のインタビューが公開された。
AppsFlyerはユーザーのプライバシーを保護したままでそれらユーザーに関するインサイトを得るためのツールとして、当社ではPrivacy Cloudというソリューションの提供を開始。データクリーンルーム環境の整備や、リバースエンジニアリングの阻止を目的にデータにノイズを追加するなどすることで、マーケターとメディアがユーザーレベルの個人データを互いに共有せずにマーケティングの意思決定に不可欠なインサイトのみを得ることが可能。
三井住友海上、通学路安全支援システムに事故データを連携‐地図上に可視化
三井住友海上火災保険とマップルは4月20日、マップルが開発・提供する「通学路安全支援システム」に三井住友海上が保有する「事故データ」を連携した新たな機能開発に向けた共同取組を開始することを発表した。
同システムに搭載されている信号機やガードレールの有無、こども110番の分布などに加えて、実際の交通事故の発生地点を地図上で可視化できるようになる。
両社は今後、全国の自治体、教育委員会と連携し、複数の公立小学校にて実証実験を行う予定。実証実験の結果を踏まえ、事故データのみならずヒヤリハット地点など他のデータ連携も検討し、2022年度内のサービス開始を目指すという。
盗まれたデータの売買を行う新しいマーケットプレイス「Industrial Spy」登場
Bleeping Computerは4月16日、「New Industrial Spy stolen data market promoted through cracks, adware」において、企業などから盗み出されたデータを売買するための新しいマーケットプレイスが登場したと伝えた。
「Industrial Spy」と呼ばれるこのマーケットプレイスでは、競合他社の機密データを購入できるなど宣伝が行われており、販売されているデータには過去にランサムウェア攻撃を受けた企業のものも含まれているという。
Industrial Spyにはさまざまなカテゴリのデータが販売されており、premiumカテゴリでは数百万ドルの盗難されたデータパッケージも売られているという。
日本システム技術、一般社団法人オルタナティブデータ推進協議会入会のお知らせ
日本システム技術株式会社は、2022年4月1日付で一般社団法人オルタナティブデータ推進協議会(JADAA)へ入会した。
オルタナティブデータ推進協議会は、日本国内でのオルタナティブデータ(※1)活用に関する「レギュレーション」、「人材不足」、「市場拡大」の観点での課題に対し、業界一丸となって解決を目指すために設立された団体。2022年4月1日時点で、金融機関、データプロバイダ、教育機関等67団体が参加。
JASTは協議会でメディカルビッグデータを提供する唯一の企業。
ゼンリン、Web上で最新の住宅地図データを利用できる自治体向けサービス「自治体専用 住宅地図 for Web」を提供開始
株式会社ゼンリンは、Web上で最新の住宅地図データを利用できる自治体向けの新サービス「自治体専用 住宅地図 for Web」の提供を開始した。
大企業の開発基盤はオンプレミス続行、半数以上がテストデータ準備に24時間以上─Delphix調査
米Delphixの日本法人、Delphix Softwareは2022年4月20日、「アプリケーション開発基盤とテストデータの管理・運用」に関する調査結果を公開。
大企業の場合、開発環境の基盤はオンプレミス指向が強いことや、テストデータの作成に多大な時間がかかっていること、テストデータのマスキングが遅れていることなどが判明している。
テストデータの準備方法を尋ねた問いでは、「ダミーデータ作成」と回答した人が59人で、「本番データを利用」と回答した人が52人だった。
テストデータの準備に最長でどれくらいの時間がかかっているかも尋ねている。「24時間以内」が10%で、50%は「1週間以内」(36%)または「1週間以上」(14%)と回答した。40%は「分からない」と回答した。
尾道市、尾道市大、ビプロジーが共同で実証実験 人流データの取得・分析で地域活性化
広島県尾道市、尾道市立大、ビプロジーはこのほど、尾道市の地域活性化につなげるための人流データの取得・分析・利活用を行う群集マネジメントに関する共同研究契約を締結。2024年3月までの予定で実証実験を開始した。
ビプロジーは科学技術振興機構の未来社会創造事業「個人及(およ)びグループの属性に適応する群集制御」との共同研究として、人流データ自動取得システムを開発、運用し、個人情報を含まない人流データを提供する。
データは、市内5カ所に2台のレーザー光測定センサーと3台のAIカメラを設置し、クラウドサービスに蓄積する。撮影したデータは解析後に破棄し、データには個人情報を含んでいないという。
尾道市は、得られたデータから分析した結果を、商工振興や観光振興などの施策立案に役立てるほか、民間事業者などにデータを利活用してもらうなど、地域活性化につなげるとしている。
今後3社は、取得するデータの精度を上げるため、1メートル、1秒単位での立ち止まりデータを取得するミクロ化と、500メートル、1時間単位で携帯電話からの人流情報を取得するマクロ化の研究を予定している。
トヨタは高度なADAS(先進運転支援システム)を搭載したオーナーカーを対象に、車外画像データを収集する取り組みを進めている。
対象車両を利用するオーナーには、Advanced Driveに必要な通信サービス「T-Connect」の契約時、契約とは別途車外画像データの取り扱いなどを説明する書面を用意しており、同意を得て運用している。
さらにプライバシー面に関しては、車外画像データという性質上、ドライバーをはじめとした車内の乗員の会話などは収集されていない一方、画像に映り込んでいる人の個人情報保護やプライバシー尊重に向けては、トヨタ内で適切なデータガバナンスやセキュリティ体制の確立、車外画像データの管理を徹底しているという。
また、映り込んだ人や車のナンバープレート、表札などについては、AIによる学習利用のためぼかし処置のない状態で保存して活用しているが、画像による検索が可能な状態では保管していない。
中部9県の広域連携DMO(観光地経営組織)である中央日本総合観光機構とナビタイムジャパンは19日、ビッグデータを活用した観光振興に取り組む協定を結んだ。
金融や位置に関するパーソナルデータの利用には抵抗感が強い、NTTデータ経営研究所の調査
NTTデータ経営研究所は『パーソナルデータの活用に関する一般消費者の意識調査』の結果を発表。同調査によれば、情報銀行やPHRサービスといったパーソナルデータの活用サービスについて「利用したことがある」とする回答は10.6%にとどまった。
「どのような条件であっても企業に提供したくない」パーソナルデータとしては、「株式や債券、口座残高等の金融資産情報」が63.5%で最も高かった。そのほか「位置情報」(62.6%)、「年収、借入等のその他の金融情報」(62.5%)、「Webアクセス履歴」(61.5%)も60%以上が提供したくないパーソナルデータに挙げられている。
パーソナルデータの活用サービスを選択する際に最も重要視する項目としては、「安全管理措置の確保」が22.1%で最も高かった。
コロナ禍や物価の高騰などを背景に、過去最大規模で成立した2022年度一般会計予算。政府は、こうした予算や政策などの効果測定、また政策の有効性そのものを高めることを目的に、統計データなどを活用したEBPM(Evidence Based Policy Making、事実に基づく政策立案)を推進している。
兵庫県は、Tableauを活用してデータ分析などの業務改革を行っている。
同県では2019年4月に「ひょうご・データ利活用プラン」を策定。「産業のイノベーションの創出」や「多様で質の高い暮らし」の実現を目指し、多種多様なデータの利活用に取り組んでいる。
以前は大半のデータ分析を都度Excelで集計しており、迅速性や効率性に欠けていた。また、政策・統計部門では専門性を有する職員が統計解析ソフトを利用していたが、属人的でデータや成果の共有が難しいという課題を抱えていた。
そのような状況の中、他の自治体職員からTableauを紹介され、トライアルを経て導入した。前述の課題を解決しながら、Tableau Public上に2020年4月以降次々とオープンデータを可視化したダッシュボードを公開している。
リアル店舗のデータとdポイントクラブ会員基盤を活用し 販売促進高度化に向けた実証実験を開始
NTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社NTTドコモ、三井不動産株式会社、三井不動産商業マネジメント株式会社は、愛知県名古屋市にあるHisaya-odori Parkにおいて販売促進高度化に向けた実証実験を2022年4月21日より開始する。
本実証実験では、Hisaya-odori Parkの実店舗から取得する店舗の人流データおよびレジ客動向(客数、属性)の分析に加えて、ドコモが保有するdポイントクラブ会員8700万人以上の会員基盤と顧客理解技術を用いたデジタルマーケティングを取り入れた来店促進や顧客満足度を高める施策を実施する。
また、店舗に対しても新規イベントの検討や新メニュー開発などに資するデータを提供し、来訪ユーザー・テナント店舗双方に役立つデータ活用を検討する。
mitoriz「消費者購買データ POB」 業態横断・月間100万人のレシートデータによりメーカー・小売り、顧客起点のマーケティングを支援するソリューション拡張
フィールド・クラウドソーシング事業を展開する株式会社mitorizは全国に100万人の協力モニターを擁し、月間レシート登録数1500万枚を超える国内最大級の消費者購買データベース「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(R)」を活用したメーカーや小売チェーンのマーケティング支援を行っている。
Point of Buy(R)データベースは、全国の消費者から実際に購入/利用したレシートを収集し、ブランドカテゴリや利用サービス、実際の飲食店利用者ごとのレシート(利用証明として)を通して集計したマルチプルリテール購買データ。同一個人(シングルソース)から「消費行動」に関わる複数種類のデータを収集しており、ショッパーの行動結果からリアルなショッパーの実態に直接迫り、マーケティング戦略に不可欠なデータを、“より精度を高く” 企業・メーカーに提供する。
全ての利用証明に購入/利用理由(フリーコメント)がデータ化されている。
POSデータや、ID-POSデータのように、小売り/店舗のチェーン限定せず、月間100万人の大量データを取得・整備しているため、従来の購買データと異なり、消費者の実態をきわめて正確に把握することができる。
自転車の走行状況分析システム『自転車プロファイラー』を提供開始
株式会社ナビタイムジャパンは、2022年4月20日(水)より、自転車プローブデータを用いた新たな走行状況分析システム『自転車プロファイラー』の提供を開始する。
『自転車プロファイラー』では、ナビタイムジャパンが提供する自転車専用ナビゲーションアプリ『自転車NAVITIME』において、同意を得たユーザーの自転車プローブデータを取得し、そのデータをもとに全国の道路を対象とし、自転車の通行台数や速度、経路分析を集計・可視化することが可能。
ナビタイムジャパンでは2017年10月から、『カーナビタイム』等のカーナビアプリから取得した自動車プローブデータを活用した道路交通分析システム『道路プロファイラー』を提供し、これまでも交通安全対策や渋滞緩和に取り組まれる自治体や事業者に対して交通ビッグデータを活用した交通の最適化を支援してきた。
『道路プロファイラー』同等の機能を搭載する自転車に特化したシステムを提供することで、自動車に加えて、自転車においても道路開通や工事規制前後での交通状況の分析や自転車ユーザーに利用されやすいエリア・道路の把握が可能になり、安全で快適な自転車走行環境の整備やサイクルツーリズム、自転車サービス(シェアリング等)の推進、また自転車に関連するマーケティングなどに活用が期待される。
まずは過去の自転車走行状況の可視化を目的に、自転車通行台数、速度、走行経路の3つの分析機能を実装する。
株式会社NTTデータは、IOWNおよびデジタルツイン技術を活用し、お客さまやパートナーとともにさまざまな社会変革・事業変革にチャレンジする「デジタルツイン共創プログラム」を2022年4月20日より開始する。
デジタルツインは、現実空間のモノ・ヒトをサイバー空間上でデジタルコピーとして表現する技術で、未来予測やシミュレーションへの活用で注目されている。そして、社会全体や事業環境をデジタルツイン化することで、データ活用に基づいた従来にないサービスやビジネスを創出することが期待されている。
本プログラムでは、お客さまやパートナーが保有するデータに加え、オープンデータや人流・交通流データ、ヘルスケアデータなどのデータを掛け合わせた高精度なデジタルツインを試作し、その技術面や事業面での有効性を検証可能。
IOWN構想の成果とNTTデータの社会インフラ構築の経験・実績による安全・安心なデータ連携や大量データ処理を可能とする開発・実証基盤を提供する。例としてそのままでは社外に出せないデータを秘匿化した状態で活用可能な秘密計算・匿名化、従来の計算基盤でできない処理を複数のコンピューティングリソースでの分散処理により、高速で処理可能な並列分散などが紹介されている。
個人情報の収集やAI分析を外部事業者に依頼する場合の「委託」の考え方と注意点
委託元が、外部事業者(委託先)に委託のうえで、当社顧客から個人情報を収集し、そのAIによる分析結果のみを受領する場合、個人情報保護法上、「委託」にあたるのか、また、委託にあたる場合、同法上、どのような点に注意すべきか、という点について渥美坂井法律事務所の松下 外弁護士が回答した。
委託元が、委託先が取り扱うデータの中身をまったく把握していない場合であっても、委託契約上、委託先によるデータ利用が制限されている場合には、個人情報保護法の「委託」に該当する可能性がある。
この場合、委託元は安全管理措置の一環として、委託先の監督義務を負うため、データの性質に応じた管理体制を整えることが重要となる。
また、委託先による委託の範囲を超えるデータ利用は、第三者提供や契約違反に該当するおそれがあるので、そのような事態が生じないようデータ利用の範囲は適切に設定する必要がある。さらに委託先による突合等は、委託の性質上、実施できない。
そのほかにも、①安全管理措置に関する情報の開示、②外国にある事業者への委託、③漏えい等の際の対応義務、④保有個人データへの対応義務などの点について、目を配る必要がある。
産学連携でママリデータを国内最大級のデータ解析コンペティションに提供
コネヒト株式会社は、経営科学系研究部会連合協議会が主催する『令和3年度データ解析コンペティション』へ解析に用いるデータを提供した。
ママリは、"悩み"と"共感"を軸にママに寄り添うQ&Aコミュニティサービスで、約300万人ものユーザーによる月間約130万件の投稿データを有する。
さらにママリ内では、質問回答投稿に加え、月間約400万回もの検索行動があり、今回はこれらのデータ約20GBほどを提供した。
LayerXでは、次世代プライバシー保護・セキュリティ技術Anonifyの正式提供に向けトライアルパートナーの募集を開始、合わせて公式ウェブサイトを公開しました。
「Anonify」の公式ウェブサイトはこちら
Section2: ListUp
1. プライバシー・セキュリティとデータ利活用
●やまもといちろうオフィシャルブログ|教育データとこども家庭庁議論との間で
https://lineblog.me/yamamotoichiro/archives/13302705.html
●病院で500人余の摘出臓器画像入ったカメラ紛失 個人情報も
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20220415/2000060221.html
●「AI先生」阻む壁 〜 教育データの利用、ルール作りに遅れ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD147FW0U2A410C2000000/
●「英国一般データ保護規制(UK GDPR)」実務ハンドブック(2022年4月)
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2022/01/b0226c404f93f434.html
●経産省|諸外国等における政策立案のためのデータ利活用実態等に係る委託調査事業(デロイト トーマツ コンサルティング)
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2021FY/000052.pdf
●2020年国勢調査が示唆する「水中生活者」の存在
https://www.nytimes.com/2022/04/21/us/census-data-privacy-concerns.html
2. 今週のLayerX
●2023年10月1日に開始される適格請求書等保存方式(以下「インボイス制度」)を見据えて、経理担当者様向けの資料「10分でわかる!インボイス制度」を公開しました!
https://bakuraku.jp/news/release/20220421_invoice-wp
●今回は、Repro株式会社のコーポレート部門のメンバーに登壇していただき、現状導入しているSaaSの活用事例や導入理由、今後改善していきたいポイントなどについて解説いただきます
https://bakuraku.jp/seminar/220427_repro_saas
●入社初日に事業部オフサイトに参加したら、LayerXがもっと好きになった話
https://note.com/tomonorikoga/n/n1b2b0a496179
●LayerX|WEB会社説明会 〜40分で企業研究〜(2022年4月ONE CAREER LIVE)
●LayerX NOW!|CS3人目のメンバーが語る、CSチームの雰囲気、これからの体制と変化
●マルチテナントのアプリケーション実装 〜実践編〜
●仕事のやりがいも家庭も諦めない。子育て真っ只中の私がコンフォートゾーンから抜け出してスタートアップで楽しんでる話。
https://note.com/tomomi_kato1210/n/ncdabb268316f
●Why monorepo? LayerXとソウゾウの採用理由
https://mercari.connpass.com/event/245479/
●権限移譲における6つのアンチパターン
https://naoki11o.com/post/anti-patterns-in-delegation
●「情報の透明性」は「アクセス性」とセットで考えるーLayerX全社Notionをスクショで大公開|Talos_ayumichi スタートアップ / HR / 2歳児ママ|note
https://note.com/ayuka1993/n/n2a9af3ca51db
●LayerX HRチーム、全メンバーを紹介!(2022年4月編)|Sho Ichinomiya|LayerX|note
https://note.com/ichhiyy/n/n1927f237c9a1
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