データマネタイゼーションへの関心の高まり/脳の健康度に基づく金融商品適合性チェック、スマホによる高血圧リスク推定
LayerX PrivacyTech Newsletter (2023/03/08-03/14) #192
今週の注目トピック
Takahiro Hatajima(@th_sat)より
データマネタイゼーションへの関心の高まりと収益化の実現にむけたレポートの概要を紹介します。
併せて、データ利活用最前線として、三菱UFJ信託銀行の脳の健康度に基づく金融商品適合性チェック支援AIアプリや、NTTドコモのスマホによる高血圧リスク推定の取り組みを紹介しています。
Section1: PickUp
●データマネタイゼーションへの関心の高まりと収益化の実現
このほど、PwCコンサルティング合同会社が「データマネタイゼーション実態調査2023」を発表した。
近年は、これまで主流であった「自社が保有するデータのマネタイズ」に加えて、外部データの取得・活用等の「データ流通」を伴うデータマネタイゼーションへの関心が高まっているとし、前回までの「データマネタイゼーション」の観点に「データ流通」の検討状況の観点を新たに追加し、企業のデータマネタイゼーションやデータ流通に対する意識と取り組みの実態について調査した点が特徴となっている。
同社のメディアセミナーでは、データの利用/活用の取り組みは今後、データの外販や協業ビジネスなど高付加価値化を目指した「データ流通」の時代に突入すると語っている(出所)。
同調査によれば、回答者の半数超が既に「データマネタイゼーション」検討に着手し、うち約57%が「外部企業などからデータを購入し、業務などに活用している」とし、データ流通に対する企業の関心は高まっていることが見て取れる。
一方で、業界団体やコンソーシアム活動には半数以上の企業が参画しているものの、実際に効果を実感できているのは34%程度であり、活動に対して企業が持つ期待と現実との間にギャップがあることが窺えるとしている(出所)。
その上で、データマネタイゼーションに取り組む上での課題としては、「スキル・知見がない」「どのデータがマネタイズできるか分からない」「アイデアがない」などの検討初期の段階における課題が上位に挙がっており、初期の企画立ち上げや具体化に最も苦心していることを指摘している。
この他、「データマネタイゼーション」を巡っては、2月にコンサルティングファームの株式会社クニエが、「データマネタイゼーション事業の実態調査レポート」を公開しており、併せて概観を俯瞰したい(出所)。
データ活用経験についての設問では、「既存業務の高度化/効率化」 に取り組んだケースが10.8%であるのに対し、「データマネタイゼーション」は3.9%と低い結果となったという。さらにデータマネタイゼーション事業の経験者のうち、立ち上げ経験者1,979名において、事業化できたケースは35%、収益化まで達成したケースは15%に留まったとしている(出所)。
その上で、安易なユースケースに飛びつかず、マネタイズの可能性を見極めることが重要であると主張している。その背景として、「ニーズや課題の想像のしやすさから、接点がある顧客や既存ビジネスの下流に位置するプレイヤーをターゲットとしてしまいがちだが、必ずしも収益化成功率が高まるわけではない」こと、「提供サービスとして、業務の省力化/自動化や予測/フォーキャスト等はイメージしやすいが、収益化成功率は高くない」ことを指摘している(出所)。
上記2つのレポートで挙げられているように、外部データの取得・活用等の「データ流通」を伴うデータマネタイゼーションへの関心が高まっている中ではあるが、その立ち上げにむけては、新規事業立ち上げと同様に、企画からマネタイズに繋げることのハードルを乗り越える必要があることから、今後の動向を引き続き注視したい。(文責・畑島)
●データ利活用最前線
脳の健康度に基づいた、日本初の「金融商品適合性チェック支援AIアプリ」を開発、三菱UFJ信託銀行にてパイロット運用を開始
防災コンソーシアムCORE ドローンとスマートフォンアプリを用いた家屋被害調査サポートサービスを開発 ~水災時の迅速な生活再建を支援~ | お知らせ・報道発表 | 企業情報 | NTT東日本
行政・自治体向け観光マーケティング支援サービス提供開始 ~ターゲティングから効果検証まで一気通貫でサポート~|三井住友カード株式会社
「よく買ってくれる人とそうでない人」は分解して理解すべき〜約7,000万人の購買データで読み解く、顧客アプローチのヒント
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Section2: ListUp
1. プライバシー・セキュリティとデータ利活用
●欧州はGDPRを起点にデータ保護エンジニアリングへ、医療分野はじめ新産業創出も
●差分プライバシーによるクエリ処理の基本・実践・最前線(DEIM2023の動画)
●国家データ局新設 中国はいかにしてデータという「新たな金」を輝かせるか|人民網日本語版
●患者の個人情報の安全な共有を保証、2023年内に新法導入へ(シンガポール)
2. 今週のLayerX
●よくする業務をGPTに依頼するアプリを立ち上げて自分だけのAIアシスタントを動かす
https://www.blockchainengineer.tokyo/entry/gpt-ai-assistant
●LayerX・バクラクフィールドセールスのオンボーディング・イネーブリングへの取り組み〜入社1か月の視点から〜
https://note.com/layerx_hiro/n/nd9ac49c4e601
●三井物産デジタル・アセットマネジメント、ChatGPTの社内利用方針を決定 -セキュリテイ・プライバシー保護とアセマネ業務効率化の両立を目指す-
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000056997.html
●バクラクビジネスカード、法人カード利用“後”の「証憑の回収」「稟議との紐付け」「仕訳」をバクラクにする機能を公開
https://bakuraku.jp/news/20230315
●情報の透明性って、本当に必要?
> 透明性を担保するということは、情報のアクセシビリティを上げることで、1人1人のパフォーマンスが最大化すると信じること(=チームへの強い信頼)に尽きる
「LayerXアドベントカレンダー2023春」の8日目の記事です
https://note.com/peroyuki/n/n57e006265015
●バクラクビジネスカード、「Japan Financial Innovation Award 2023」でコラボレーション賞を受賞
インフキュリオン様のカード発行プラットフォーム「Xard」を活用した協業を、カード発行をスピーディーに実現し、中小企業の柔軟な業務展開に役立つとして評価頂きました!
https://bakuraku.jp/news/20230314
●3/23木PM@福岡で学生の皆さん面談&お茶しませんか
LayerX、もうちょっと広義でベンチャーやスタートアップに興味がある24,25,26卒くらいの学生の皆さんよかったらformにエントリーかDMください!
https://newgrads.layerx.co.jp/#ouractions
●先日の当社新卒採用選考に関するプレスリリースについて、Bloombergさんから取材を受けた記事が公開されました!世界的な波〜
●なぜ組織にはドキュメントが必要なのか - 透明性を担保しスケールしていくためのドキュメント文化の重要性
LayerXの行動指針「Trustful Team」を体現するためのドキュメントの重要性、組織・ビジネスをスケールさせていく上でのドキュメント運用の注意点について書いてます
https://note.com/hiroto_inada/n/n40078b1d31ef
●LayerX “UPDATE” EVENT 02|開発組織の今。デザインとエンジニアが目指す未来とは
オフィスでやります〜!エンジニアとデザイナーとプロダクト開発組織の未来について話しましょう!
https://layerx.connpass.com/event/276861/
●LayerXにおける機械学習を活用した請求書OCR機能に関する取り組み / deim2023-layerx-ai-ocr - Speaker Deck
https://speakerdeck.com/yuya4/deim2023-layerx-ai-ocr
●ソフトウエアエンジニアの組織と文化
https://note.com/suguru_namura/n/n4afcd492f8c0
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