LayerX Newsletter for Tech (2020/01/13–01/19)

Issue #41

今週の注目トピック

Satoshi Miyazaki(@satoshi_notnkmt)より

今週は、スケーリングソリューションのひとつであるOptimistic Rollupを用いたFuel v0のOpen Beta版が公開されたニュースに注目です。他には、リーガルテックの分野として、リーガルスマートコントラクトを扱うClauseがSales Forceと連携したニュースや、IBMのFood Trustに新たな食品事業者が参入した動きについても取り上げております。List編と合わせてご覧ください。

Section1: PickUp

Fuelのv0がOpen BetaとしてPublic testnetでローンチ, ソースコードも公開される

  • Optimistic Rollupとも呼ばれるMinimal Viable Merged Consensusを用いたスケーリングソリューションであるFuelのv0のOpen Betaが開始された。Open Betaではパフォーマンス及び安定性の検証を行いつつ、Gas効率の良いコントラクトを開発者にReadableな形で書くための新しい中間言語Yul+を含むtoolchainのリリースを計画している。また、BitcoinのScriptのようなスクリプティングの仕組みも計画に含まれている。

  • Fraud proofを効率的に計算するために、低レイヤのメモリを効率的に扱うためにSolidityではなくYulを用いており、fraud proofを1M Gas以下で実行可能である。また、UTXO型のサイドチェーンであるため、トランザクションの検証を並列化することが容易であり、効率的なステートへのアクセスが提供できることから、FuelのFull Nodeは高いDisk I/Oを要求されないため、速いSSDなどを持つ必要がない。また、Fraud Proofが安価であることで、Plasmaやstate channelよりもchain congestion attackに強いと説明されている。

  • 公開されているコードにはノードの簡単な実行方法が付されており、DAIをdeposit, withdrawできるようなサンプルコード、MySQLをDBとして利用してノードを立ち上げる方法などが記載されている。他のOptimistic Rollupの実装としてはPlasma GroupのものやSKALEによるもの、IDEXによるものが知られている。devconでのunipigのデモも記憶に新しく、unipigのデモでは250tpsを達成したようだ。 また、SKALEも19日にソースコードを公開したようだ。各プレイヤーが開発をすすめる中で、特にFuelはhighly-scalable stablecoin paymentsを実現することを謳っており、今後どのように利用が広がっていくのか注目される。

スマートリーガルコントラクトプロバイダーClauseがSalesforceと契約管理業務で連携

  • スマートコントラクトプロバイダーClauseがDocuSignと提携の上、ユーザー向けに提供していたConnected ContractingをSalesforceユーザーにも提供を開始すると発表した。Connected Contractingとは、契約書への署名の確認後、契約内容の自動履行とペイメントの自動執行がなされるスマートコントラクトのモジュールをDocuSignのユーザー向けに提供していたもの。

  • 今回、ClauseはこのサービスをSalesforceへ繋ぎこむことを発表し、Clauseの共同創業者兼CTOのDan Selmanは「Clause for Salesforce」と呼んでいる。新サービスにおいては、ユーザーはまずSalesforce上でcontract dataを作成し、Clauseに送付の上、契約書を作成する。Clause上には、テンプレートが用意されており、ユーザは文言やロジック等の作成のコストを削減可能。その上で、Docusignにおいて電子署名をすることで、イベントが発生しスマートコントラクトにより、Selesforce上の契約情報等がリアルタイムで更新される。この際、データが随時蓄積されるため、次回の契約改訂時の交渉等にも活用できるとされている。

  • また、もともとClauseはStripeとも提携しており、ユーザー情報登録時にStripeのアカウントを登録しておけば、電子署名によるイベント発生後、Stripe上で決済を行なうことが可能であったが、この度、Stripeとのアカウント連携により、動的にStripe invoiceを作成できることも発表された。

  • Docusign関しては、6月にClauseに出資(6月のNewsletter)を行い、10月にはパートナーシップを締結するだけでなく、12月には、Clauseをインテグレートし、不正確な契約データについては署名許可をしないワークフローの生成を可能にし、契約締結後もモニタリングしアラートを実施することで、エラー対応などによるコストを低減している。このことから、積極的に投資を実施するだけでなく、自社プロダクトとのコラボレーションを通じてブロックチェーンの応用を目指していく動きが依然みて取れる。

  • この一連の動きからは、機能的連携の有機的連鎖により、ビジネスパートナーエコシステムが適切に拡大し、ユースケースの増加を通じて、ブロックチェーンユーザーの裾野の広がりも期待できるといえる。他の業界での動きも要注目である。

IBMの食品トレーサビリティプラットフォーム「IBM Food Trust」にチュニジアのオリーブオイル製造業者が参加

  • 2020年1月14日、南地中海領域で最大級のオリーブオイル生産量を誇る企業のうちの一つとして知られる、チュニジアのCHOが、IBMのブロックチェーンを使った食品トレーサビリティソリューションである「IBM Food Trust」に加入したことを発表した。同社の生産するブランド「Terra Delyssa」がエキストラバージンオリーブオイルであることを証明するために、ブロックチェーンが用いられることになる。

  • オリーブオイルの需要は世界的にも高く、中でも純度の高い最高の品質を誇るエキストラバージンオリーブオイルは、高値で取引されている。一方、その製造工程において、品質の異なるオイルと混ぜたものをエキストラバージンとしてラベリングする事業者の存在が問題しされており、消費者からの信頼性確保が課題となっていた。

  • Terra Delyssaのオリーブオイルは、オリーブの果樹園から瓶詰めされて完成するまでにおよそ80の工程を経るが、その工程のすべてをブロックチェーン上に記録し、瓶に貼られたQRコードから辿れるようにすることで、消費者が安心して購入することができるようになる。トレーサビリティが完全に確保されている商品に対してプレミアムを払うことに同意する消費者が73%にも登るというIBMの消費者動向に調査結果が引用されており、企業価値向上にも貢献することが予想される。

  • IBMは、他にも貿易の領域において、金融機関とともに「we.trade」プラットフォームを立ち上げており、今後サプライチェーンと貿易金融の領域を組み合わせていく動きが出てくることが予想される。今後も引き続き、同社の動向に注目していきたい。

Section2: ListUp

1. Bitcoin

Liquid Network、BTCPay Serverをサポート。BTCPay利用マーチャントは支払いにLiquid Network用いて、Liquid Bitcoin (L-BTC) やLiquid Tether (USDt)によるセツルメント可能に

Bitcoin上のスマートコントラクトDiscreet Log Contract用いた仕様をまとめていく活動が立ち上がる

Taproot関連のBIPプルリク

2. Ethereum

Plasma Groupメンバー、ParadigmとIDEOから資金調達し、レイヤー2スケーリングソリューションOptimistic Rollup実装に注力する新会社Optimism設立

EEA、サンドボックスとなるTestNetをローンチ

Fnality、EEAに参画を発表

AZTEC Protocol、MPCセットアップを完了

Loopring、ZkRollup用いたテスト結果を公開

StarkWareによるStarkEx、Istanbul後の実測で秒間9000取引をLayer-1上にて

DApp開発フレームワーク:Embark 5リリース

スマートリーガルコントラクトClause、SalesforceおよびDocuSignと連携したデジタル契約「Connected Contracting」を発表

スマートリーガルコントラクトClauseのアカウントとStripeのアカウントをリンクするだけで、ClauseのSmart Clauseを用いて動的にStripeインボイスを生成できるように

HyperLedger BESU,v1.4で追加予定のPlugin APIに関するwebinarを開催予定

3. Bitcoin/Ethereum以外

Kadenaがパブリックローンチ

Libra、技術運営委員会が発足

今年のStanford Blockchain Conferenceは、2/19–21開催。 今回のトピックにはLibraもあるのが特徴的。 SNARKs関連でSTARKsやPLONKも

Bulletproofsを利用したrange proofの仕組み

  • 内積の証明に引き続いてrange proofの仕組みが解説されています

4. 統計・リスト

中国のブロックチェーン特許申請、テンセント系WeBankが突出

  • 内容面ではデジタル資産、融資業務、サプライチェーンファイナンス

5. 論考

ブロックチェーン技術のスケーラビリティ問題への対応

Bitcoinの革新性が導くWeb 3― cryptoeconomicsという方法論とトラストレス ―

2020年代は、ハードウェアウォレットやブロックチェーンスマホ等の「クリプトデバイス」が急成長するとのレポート

6. 注目イベント

IACRカンファレンスReal World Crypto (1/8–1/10, New York)動画はこちら

Advancing Bitcoin Developer Conference(2/6–2/7, London)

Financial Cryptography 2020(2/10–2/14 at Kota Kinabalu, Sabah, Malaysia)

Workshop on Coordination of Decentralized Finance(2/14 at Kota Kinabalu, Sabah, Malaysia)

Stanford Blockchain Conference (2/19–2/21 at Stanford)

EthCC(3/3–3/5 at Paris)

Hyperledger グローバルフォーラム(3/3–3/6 at Phoenix, Arizona)

MIT Bitcoin Expo 2020(3/7–3/8、Boston)

Cryptoeconomic Systems Conference (CES ‘20)(3/7–3/8、Boston)

PBWS: Paris Blockchain Week Summit(3/31、Paris)

EDCON(4/3–4/7 at Vienna, Austria)

TPBC20: Theory and Practice of Blockchains 2020:(4/20–4/22、Barcelona)

Eurocrypt 2020(5/10–5/14、Zagreb, Croatia)

IEEE S&P: 41st IEEE Symposium on Security and Privacy(5/18–5/20、 San Francisco)

TPMPC 2020: Theory and Practice of Multiparty Computation Workshop 2020:(5/25–5/28、Aarhus N, Denmark)

CRYPTOLOGY2020: 7th International Cryptology and Information Security Conference 2020(6/9–6/11、Putrajaya, Malaysia)

Summer School on real-world crypto and privacy(6/15–6/19、Sibenik, Croatia)

SECRYPT 2020: 17th International Conference on Security and Cryptography (7/8–7/10, Paris)

Crypto 2020 (8/16–8/20, Santa Barbara, CA, USA)

バックナンバー

#21(2019/08/19–08/25)
#22(2019/08/26–09/01)
#23(2019/09/02–09/08)
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#30(2019/10/21–10/27)
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#33(2019/11/11–11/17)
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#38(2019/12/16–12/22)
#39(2019/12/23–2020/01/05)
#40(2020/01/06–01/12)

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LayerX Newsletter for Biz (2020/01/13–01/19)

Issue #41

今週の注目トピック

Eisuke Tamoto(@coin_ettomato)より

今週のBiz編には中国と米国のブロックチェーンへの動きが並びました。特に米国の中央銀行発行デジタル通貨プロジェクトのニュースは今まで米国では公にあまり出てこなかった内容なだけに注目が集まります。他の二つのニュースでは、ブロックチェーンと法的手段との関係で注目できる内容となっております。今週も下記のListと合わせてご覧くださいませ。

Section1: PickUp

イリノイ州、スマートコントラクトおよびブロックチェーン上の記録を以って法的手段として認める法案「Blockchain Technology Act」が通過

  • 米イリノイ州において、ブロックチェーンを以って生成・格納・検証された記録・署名やスマートコントラクトが、法的な執行力あるものとして認められるようになった。この法案では、まず用語定義として、ブロックチェーンを「トランザクションのデジタル記録を検証・格納する複数参加者によって分散的方法を用いて生成された電子的記録であり、前トランザクション情報の暗号学的ハッシュを用いて安全確保される」と定めている。また、スマートコントラクトについては、「ブロックチェーンを用いて検証される電子的記録として格納されたコントラクト」としている。

  • 次に、ブロックチェーンの利用が認められる場合については、以下のように定めている。まず、ブロックチェーンを用いて生成・格納・検証される場合に、スマートコントラクトや記録・署名は、法的効果や強制力を否定されない他、スマートコントラクトや記録・署名のエビデンスは排除されることが無いとのこと。また、法が記述による記録を求める場合に、記録を電子的に含むブロックチェーンの提出を以って法を満たすとしているほか、法が署名を求める場合には、署名を電子的に含むもしくは署名を提供する人物の意図を検証するブロックチェーンの提出を以って満たすことができるとしている。

  • では、どのような場合に「利用制限」がかけられるのかというと、例えば「契約や記録の保持する権利のある参加者により正しく検証・再生成される形でない場合」や「この法以外の法が、特定の方法で提示される記録を求める場合」および「ある個人が、ブロックチェーンに含まれる情報の格納や取り出しを阻害できる場合」などを挙げている。

  • その上で、地方政府に対する制約として、以下をあげている。ブロックチェーンやスマートコントラクトの利用について、「税や手数料を課してはならない」「地方政府からの認定・免許・許可を求めてはならない」「その利用を要件として強制してはならない」と定めている。

  • このように、ブロックチェーンによる記録やスマートコントラクトが法的な執行力を持つものとして定める例ができたことは重要なトピックと考えられる。既に中国では、ブロックチェーンによる記録をエビデンスと定めてインターネット裁判所で扱われている。例えば、杭州インターネット裁判所の副所長は、「スマートコントラクトは、従来の契約と違い、エビデンス収集に時間を要することなく自動的に執行することができる」と述べている。

  • 具体的な実績としては、中国の「インターネット裁判白書」において、デジタルエビデンスの収集・保温・認証の難しさに取り組むため、ビッグデータやクラウドストレージとブロックチェーン技術の組み合わせに意味があるとした上で、2019年10月31日時点で、22の省における裁判所が、ブロックチェーンベースの電子エビデンスプラットフォームと接続されているとのこと。このバックでは、中国科学院の国立タイムサービスセンターや、争議解決プラットフォーム・公証役場・法科学センターなどとリンクされており、公的なインフラとして、ブロックチェーンが定着していることが窺える。今後、商取引のインフラとして、クラウド同様にブロックチェーンの利活用が浸透・定着していくべく、その実績が積み重ねられていくことを期待したい。

中国がブロックチェーンを知財に加え企業秘密管理の応用に向けて開発を開始へ

  • 中国が著作権などの知財分野でのブロックチェーン応用に加えて、企業秘密管理領域においてもブロックチェーンを活用するために動き出していることが上海人民検察院への取材で判明。企業秘密には、開発ノウハウやソースコードなど特許等には含まれないが企業価値を担保する情報として企業が指定する情報が当てはまる。例として、コカ・コーラ社のコカコーラ作成レシピが企業秘密として挙げられている。

  • 従来、企業秘密は情報特定の難しさ、企業スパイを通じて秘密情報が漏れたこと自体の特定の難しさなどから、情報漏洩が発生した場合の特定や裁判の難しさが指摘されていた。ここで、上海においてブロックチェーンを利用してこれらの課題を解決しようとする動きが登場したのである。具体的には、各企業が企業秘密として保護したい情報が登場した場合は、その企業情報が定義された時のタイムスタンプと情報に関するフィンガープリントをブロックチェーンに書き込む、というものである。

  • ただ現在では、具体的な開発プランやメイン企業なども選定されておらず、今後上海の地域知財管理機関を中心に各関連プレイヤーを集めて実用化に向けた具体的リサーチが開始される模様だ。

  • 今回注目されるのはブロックチェーン技術そのものに加えて、それを主導しているのが人民検察院であるという点である。人民検察院の担当者の発言では、「企業秘密漏洩問題の鍵は裁判における証拠能力をどのように認めるかであり、今後ブロックチェーンネットワーク技術を開発した際にはそこの記載データを法的証拠能力のあるものとして扱う」としている。また、「現在中国は知財関連問題の法律基盤の更新を進めているが問題の一つとして、証拠能力の点がある。しかしこの問題は技術の介入なしでは解決できない。」とも発言しており、現代に合わせた規制や法システムのアップデートにテクノロジーを活用していく姿勢が色濃く見られる。

  • 同様の試みは世界知財管理機関(WIPO)においても進められているが、ワークショップを開催するフェーズの模様であり、今回上海人民検察院の担当者は、「WIPOとも協力をしながら、開発が進めば技術を中国に縛ることなく世界的に適用させるようにしたい」との発言をしており、世界を見据えた開発をしていく模様だ。

  • 中国ではすでに著作権訴訟における証拠能力としてのブロックチェーン適用は進んでおり、今回の企業秘密事例に置いてもどのように実現していくか政府の動きにも注目していきながら追っていきたい。

デジタル米ドルの発行について検討を進める「Digital Dollar Project」とAccentureがパートナーシップを締結

  • 2020年1月16日、元CFTC(米商品先物取引委員会)委員長のChiristopher Giancarlo氏率いるDigital Dollar Projectが、Accentureとパートナーシップを締結したことを発表した。Digital Dollar Projectとは、民間決済で使用可能な米ドルのCBDC(中央銀行デジタルマネー)の発行方法について、公な議論を行うことを目的として設立された非営利団体である。

  • 今回、同団体がAccentureとの提携を決定した背景には、Accentureが過去に取り組んできた中央銀行系プロジェクトから得られる知見を活かしたい狙いがあると考えられる。これまでAccentureは、資金決済領域においてカナダ中銀と実証実験を行った「Project Jasper(Phase 1~3)」やシンガポールの金融当局のMASと行った「Project Ubin(Phase 1~5)」、Cordaを用いたデジタル通貨に関する秘匿化技術の検証を欧州中央銀行らと進めている他、世界初のCBDC「e-krona」を発行したスウェーデン中銀のRiksbankとも技術協力を行ってきている。

  • Digital Dollar Projectは今後、紙幣に似た性質を持つ第3の通貨「デジタル米ドル」の発行方法について、経済学者や経営者、技術者、イノベーター、法律家、アカデミアや人権学者、倫理学者など、幅広い領域の専門家を議論を進め、初期の発行方法について検討を進めていくとのこと。

  • 海外の中央銀行と比べて、米国の動きは後発となっている。近日になって動きが活発化してきた背景には、中国によるデジタル人民元の発行検討も多いに影響していると考えられる。今後の発行に向けて、米国内でどのような議論が進められていくかの動向について、引き続き注目していきたい。

Section2: ListUp

1. Regulation : 規制動向

仏中銀副総裁テック企業や金融機関の発行するステーブルコインは「決済システム強化に貢献できる可能性あり」と講演

OECD、ブロックチェーン関連のアドバイスと指針の確立を行う専門家グループBlockchain Expert Policy Advisory Board (BEPAB)を設立

オーストラリア準備銀行、CBDCの有用性を確かめるため、銀行間決済の実験をEthereumベースで実施

米SECIEOにつき投資家へリスク警告

中国人民銀行、規制サンドボックス制度によるプロジェクトを発表

金融庁、仮想通貨に関わる令和元年資金決済法等改正に係る政令・内閣府令案等を公表(内閣府令の概要について解説記事はこちら

2. Crypto Adaptation: 暗号通貨の普及・応用

カストディアンのAnchorage、機関投資家むけ仲買サービスAnchorage Trading立上げと発表

Gemini、カストディ顧客のデジタル資産を保護するキャプティブ保険会社Nakamoto設立を発表

米ETFプロバイダー大手WisdomTree、法定通貨や債券・ゴールドなどのアセットバスケットpegのStablecoin立上げを計画。 伝統的金融プレイヤーからのStablecoinへの関心の高さとして注目

BinanceZホールディングス傘下のTaoTaoとの間で戦略的提携へ交渉開始との発表。BinanceからTaoTaoへの暗号資産取引関連技術の提供や暗号資産取引所運営のサポートなど

VALU、VAトークンの売買サービスを3月2日に終了

Zaifとフィスコ仮想通貨取引所、2月12日に統合へ

3. Decentralized Finance : DEXやトークンなど

Alethioによる2019年のDEX業界俯瞰レポート

Aragon、陪審員を募集

4. Programable Security : プログラマブル証券関連

NBAのサクラメント・キングスが所属選手のグッズのオークション販売をEthereum上で実施へ

タイに拠点を置くトヨタリーシングがタイでブロックチェーン債を発行へ

BrickMark社が100M$超の不動産を購入し、発行済PSの正味価格が上昇へ

5. Financial Institutions : 金融機関による応用ケース

Seoul Medical Center、医療情報管理および保険請求むけブロックチェーンアプリケーションをローンチ

Mastercard、豪州でデジタルアイデンティティのプラットフォーム立ち上げるべくAustralia PostおよびDeakin大学と提携。 Australia Postの既存デジタルIDソリューションに組み込む

米財務省助成金受領者むけにデジタル信用状の実証実験完了

JCB、決済連携プラットフォームへむけて富士通と共同プロジェクト開始と発表

AUM6兆円を誇るWisdomTree社が独自ステーブルコイン発行を計画へ

香港企業が新たな貿易ファイナンス向けネットワークをMSのサポートにより開発へ

6. Enterprise/Government : 非金融分野の応用ケース

IBMによるブロックチェーンおよびWatson用いたサプライチェーンプラットフォーム「IBM Sterling Supply Chain」Salesforceとの提携を発表し、サプライチェーンのデジタル化を推進へ

Forbes、ブロックチェーンを利用した会員システムを採用

Alipay、顔認証レンタカー

北京政府のブロックチェーンアプリ、500万ダウンロード突破

伊藤忠商事、インドネシアにおける天然ゴム原料調達サプライチェーンを対象としたトレーサビリティの実証実験

7. Startup : 個別プレイヤー・アプリケーション

香港ベースのオープンアカウントトレードファイナンスプラットフォームATLAS Alpha Network。 開発元のCryptoBLKはL/CプラットフォームVoltronも開発。ファクタリングやPOファイナンスのプロセスをデジタル化

8. Articles : 論考

フィナンシャルタイムズの「20年代の3つの技術潮流」より

ゼロ知識証明のプライバシー技術がサプライチェーンファイナンスへの中小企業のアクセス負担を軽減するという話

金融“機関”は、金融“機能”になる「国の存亡を賭けて」挑む、ブロックチェーンの社会実装

Disclaimers

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LayerX Newsletter for Tech (2020/01/06–01/12)

Issue #40

今週の注目トピック

Satoshi Miyazaki(@satoshi_notnkmt)より

今週のニュースレターTech編は、Zcashの開発者によって公開された高速ハッシュ関数であるBLAKE3の登場が注目のニュースとなっています。他には、GDPRに対応したデジタルIDのあり方を探求するSovrin Foundationの動向や、国内外のステーキング動向について、取り上げています。List編と合わせてご覧ください。

Section1: PickUp

Sovrin Foundationが自ら提供するブロックチェーン上のデジタルIDシステムがGDPRに適合するプラクティスを公表

  • Sovrin Foundationが、データプライバシーを取り扱うにあたって、今後の地域ごとのニーズの変化に対応可能なフレームワークとしてself-sovereign identitityが最も柔軟なシステムであると主張するペーパーを公表した。

  • Sovrin Foundationは2016年に設立された国際的な非営利組織で、人や組織が利用する独立したデジタルアイデンティティー(self-sovereign identitity。以下SSI)とその分散ネットワークSovrin Networkの開発と運用を目的としている。SSIは、過去のブロックチェーン領域における研究テーマとしても注目されており、2017年にはHyperledger Indyにて開発が行われている。暗号プロトコルを研究する日本人研究者も在籍していることも興味深い

  • ペーパー内においては、GDPRがどのようにSovrin Networkの参加者に適用されるか、EUやEU内の各国の直近の規制やガイドラインに言及しつつ実証を試みている。具体的には、3つのLayerに分かれるSovrin Networkにおける、各主体の役割を整理(以下図参照)した上で、各々がGDPRの要件を満たすために必要な取組について確認を行なっている。

  • 加えて、Sovrin NetworkのアーキテクチャがGDPRのコンプライアンス要件に適合していることを示すだけでなく、ブロックチェーンベースのIDエコシステムによる規制要件への適合能力を評価する包括的基礎を提示するとともに、今後規制が変化しうることを見据え、ブロックチェーン利用のロードマップを作成している。

  • こちらのペーパーは、Sovrin Foundation内の Sovrin Governance Framework Working Group、The Global Policy Working Group、Sovrin Stewardsなどによる1年以上にもわたる取り組みの成果を示す位置づけに当たる。Sovrin Foundationの理事であり、WGの共同議長のDrummond Reed氏も「これは規制当局との対話の始まりであり、今後当局からのフィードバックを期待している」と述べている。

  • GDPRをはじめとする個人データ保護にかかる規制の動きは、今後のブロックチェーン開発の方向性に影響を与えていく可能性がある。今後も規制の動きを注視しつつ、分散IDの一つとしてのSSIの開発の進展に期待したい。

ステーキングに向けた動きが活発に:CoincheckがLISKのステーキングをスタート、0xがステーキング用ポータルを公開

  • 2020年1月9日、Coincheckが実証実験として、LISKのステーキングサービスのβ版提供を開始したとの発表を行った。

  • LISKはDPoS(Delegated Proof-of-Stake)を採用した通貨であり、投票数の多い上位101のノードに対し、プロトコルからステーキング報酬が与えられる。なお、LISKにはブロック生成に対する報酬が減る半減期が設定されており、2020年10月1日頃に、最後の半減期を迎える見通しとなっている。

  • 今回Coincheckでは、一定量以上のLISKを保有するユーザーに対し、報酬のうち一部を分配することについて明らかにした。今後も、日本でLISKに対応している他の取引所や、ステーキングに対応した新規通貨への対応する動きが発生する可能性があり、引き続き動向に注目していきたい。

  • 一方、0xプロトコルがバージョン3にアップデートされ、流動性を担保する仕組みとしてステーキングを採用したことは記憶に新しい(Issue #34にて紹介)。この度、0x上でデリゲートする先のMarket Makerを指定できるwebサイトである「ZRX portal」が公開されたことが、公式ブログより発表された。 これにより、ユーザーはwebインタフェースを通して、簡単にデリゲート先を選定し、ZRXのステーキングを行えるようになった。現時点では、MetamaskやCoinbase Walletが本機能に対応していることが明らかになっている。今後も、ステーキングを中心したエコシステム拡大に向けて、ユーザー体験の改善や法的・実務的課題に対し、検討が進められていくことに期待したい。

SHA3-256の15倍、BLAKE2の5倍高速なハッシュ関数BLAKE3の発表

  • Electric Coin Company (Zcash)のCEO、@zookoらによる高速なハッシュ関数のペーパー及びRustによるレファレンス実装が公開された。Pure Goの実装および、Cでの実装も公開されている。

  • BLAKE2は、SHA-256、SHA3–256よりも高速かつBLAKE2bやBLAKE2sがOpenSSLに実装されており、PythonやGoといったメジャーなプログラミング言語の標準ライブラリに組み込まれるなど、すでに広く普及している。しかし、互換性のないvariantが複数存在し、なおかつその数が多いことや、ライブラリにおけるvariantの実装が統一されていない問題があった。例えば、x86アーキテクチャ上で最速のパフォーマンスを示すBLAKE2bpやBLAKE2bsは、上記の理由により殆ど普及していない。

  • BLAKE3では、上記の問題点を解決するためにvariantを一つにし、全てのプラットフォーム上で高いパフォーマンスを示すようにした。

  • 著者らによるベンチマークではSHA3–256の約15倍、BLAKE2の5倍高速であることが示されている。

BLAKE3のベンチマーク

  • アルゴリズムの大きな変更点としては、ハッシュ関数はハッシュ値を導くアルゴリズム内でラウンドと呼ばれる処理を繰り返すが、BLAKE3ではBLAKE2に比べラウンド数を10から7に減らしている。また、並列性の観点においても、入力値を独立に小構造に圧縮して二分木の葉として取り扱うため、SIMD命令を持つモダンなCPUに最適化を行った形の高速化を実現している。

  • セキュリティの観点においては、著者らは128ビット安全性を目標にしている他のハッシュ関数と同程度のセキュリティが担保されていると主張しているが、 ラウンド数を減らすことがセキュリティ上問題ないのかは意見が分かれるところであり、懸念もあると見られている。

  • ZcashはSapling実装の際にSHA256が利用されている箇所をBLAKE2で置き換えるアップデートを行った経緯があり、Zcash含む各種ブロックチェーンの実装において、BLAKE3への以降が検討される可能性がある。

  • 並列化のためにMerkle Treeを内部に持つようなアルゴリズムであるため、ストリーミングされた動画が正しいデータであるかを全データをダウンロードせずに検証していくVerified Streamingや、データを一部ずつ、すでに計算した部分のRoot Hashを変えずにアップデートしていくようなIncremental Updateが応用例として想定されている。

Section2: ListUp

1. Bitcoin

TetherをEthereumチェーン上からLiquidサイドチェーンへアトミックスワップで移動Confidential Assets トランザクション用いた秘匿送金でプライバシー確保

Bitcoin、Taproot/Schnorrアップグレード提案が前進

今年5月半ばに見込まれるBitcoin半減期についての解説記事

2. Ethereum

Ethereum 2.0入門記事

Furl、オープンソース化

Vyperのコンパイラの最新状況:PythonベースからRustベースの開発へ

MetaMask主催のGeneralizedなMetaTransaction実装のコンテスト開催へ

WeDEXとLoopringによるmainnetでの実験

3. Bitcoin/Ethereum以外

SHA3–256の15倍、BLAKE2の5倍高速なハッシュ関数BLAKE3の発表

Baidu独自ブロックチェーン暗号通貨Xuperchain」をローンチ

Ant Financialのエンタープライズ向けブロックチェーンプラットフォームAnt Blockchain Open Alliance(昨秋よりベータ版)が来月ゴーライブ中小企業が安価にブロックチェーンアプリケーション構築可能に

Tezos PoSに対する”selfish mining” 攻撃への脆弱性について

R3、ブロックチェーンベースの記録システムで特許

ブロックチェーンベースのデジタルアイデンティティシステムがデータプライバシーを強化できるとするSovrin Networkによるペーパー

OrchidがPrivacyを担保したVPNをローンチ

4. 統計・リスト

数字で見るBitcoinの2019年

5. 論考

暗号学的証明についての概観記事。コミットメントからSNARK/STARKまで

Cordaのスマートコントラクト

6. 注目イベント

IACRカンファレンスReal World Crypto (1/8–1/10, New York)動画はこちら

Advancing Bitcoin Developer Conference(2/6–2/7, London)

Financial Cryptography 2020(2/10–2/14 at Kota Kinabalu, Sabah, Malaysia)

Workshop on Coordination of Decentralized Finance(2/14 at Kota Kinabalu, Sabah, Malaysia)

Stanford Blockchain Conference (2/19–2/21 at Stanford)

EthCC(3/3–3/5 at Paris)

Hyperledger グローバルフォーラム(3/3–3/6 at Phoenix, Arizona)

MIT Bitcoin Expo 2020(3/7–3/8、Boston)

Cryptoeconomic Systems Conference (CES ‘20)(3/7–3/8、Boston)

PBWS: Paris Blockchain Week Summit(3/31、Paris)

EDCON(4/3–4/7 at Vienna, Austria)

TPBC20: Theory and Practice of Blockchains 2020:(4/20–4/22、Barcelona)

Eurocrypt 2020(5/10–5/14、Zagreb, Croatia)

IEEE S&P: 41st IEEE Symposium on Security and Privacy(5/18–5/20、 San Francisco)

TPMPC 2020: Theory and Practice of Multiparty Computation Workshop 2020:(5/25–5/28、Aarhus N, Denmark)

CRYPTOLOGY2020: 7th International Cryptology and Information Security Conference 2020(6/9–6/11、Putrajaya, Malaysia)

Summer School on real-world crypto and privacy(6/15–6/19、Sibenik, Croatia)

SECRYPT 2020: 17th International Conference on Security and Cryptography (7/8–7/10, Paris)

Crypto 2020 (8/16–8/20, Santa Barbara, CA, USA)

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LayerX Newsletter for Biz (2020/01/06–01/12)

Issue #40

今週の注目トピック

Eisuke Tamoto(@coin_ettomato)より

今週のbiz編の解説には、貿易金融、保険、スマートシティといった多様なジャンルでの実用化へのニュースが並びました。今週も中国関連のニュースが複数pickされており、昨年秋以降からの中国での実用化トレンドが日々加速していることがわかります。一方、komgoの事例は日本企業も含む世界各国の金融機関が参画しており世界的なネットワーク形成にむけてどのように発展していくのかが注目されます。

Section1: PickUp

komgoのコモディティ向け貿易金融プラットフォームがゴーライブ

中国国家の提供するブロックチェーン「BSN」が2020年4月に正式ローンチ予定であると発表される

  • 2020年1月7日、国立情報センタースマートシティ研究科の唐斯斯氏が、中国国内で展開予定となっているBSN(Blockchain-based Service Network)が、2020年の4月に正式ローンチ予定であるとの発言を行ったと新浪財経が報じた

  • BSNは、中国国内の都市や企業、公共機関など、複数のプレイヤーを跨いでの活用を想定したブロックチェーンインフラであり、中国の国立シンクタンクであるSIC(State Information Center)や、China Mobile、Union Payなど、複数の国有企業が中心となって開発を進めている。2019年9月に公開されたホワイトペーパーによると、BSNを開発する目的としては、導入時における技術的ハードルを下げることによる、ブロックチェーンインフラの急速な普及と拡大を実現することであるとされている。

  • 2019年10月から2020年3月にかけては、BSNの内部テストを進行させるフェーズとなっており、およそ400もの法人と600人もの開発者を巻き込んで、開発が進められると報じられており、実証実験の場としては、杭州が選ばれることについても明らかになっている。杭州はアリババのベッドタウンとしても知られており、2016年よりアリババクラウドを用いたスマートシティの開発が盛んに行われている。今後、BSNが登場することによって、中国の他の都市部において、ブロックチェーンを用いたスマートシティの開発が加速していく可能性があるため、今後も引き続き注目していきたい。

中国でブロックチェーンの保険分野への応用に向けてスタンダード作成のコンソーシアム形成へ

  • The Shanghai Insurance Exchangeの主導で、保険業界のブロックチェーン活用に向けてスタンダードを制定するためのラウンドテーブルが開催された。Corda R3を利用して保険コンソーシアム形成を目指すB3iなどの取り組みがすでに誕生しているが、今回はそれの中国版に当たる。

  • 今回のコンソーシアム形成に向けて中国全土から109の機関が参加していると言われている他、スタンダード策定においては中国銀行業保険監督管理委員会が主導すると説明されており政府機関のイニシアチブも利用される模様だ。ただ、中国大手でブロックチェーン活用への取り組みも進めている中国平安保険の参加は今現在では決まっておらず、同社もノーコメントのままである。

  • 今回のコンソーシアム形成を通じて、「保険分野でのブロックチェーン活用におけるフラグメント化防止」「スタンダード乱立による将来的な拡大可能性の阻害を排除」「スタンダード統一による同業他社同士での競争促進」が目的にされている模様だ。The Shanghai Insurance Exchangeが開発する保険むけ独自ブロックチェーンをベースに各社がアプリケーションを開発する流れになるのではないかと予測されている。

  • 銀行、証券決済分野で実用化の流れを直近のニュースレターで紹介してきたが、どのプレイヤーも独自でネットワークを作っていく流れだった。その一方で保険の分野は当初からコンソーシアム形成を行い、その後拡大、発展を目指す流れのように受け取られ、それぞれ異なった流れで実用化が進んでいっているのはとても興味深い。保険の分野でも中国の事例は、見逃せなさそうである。

Section2: ListUp

1. Regulation : 規制動向

シンガポールと中国の証券監督機関が規制策定に向けてラウンドテーブルを開催

  • MASとCSRCとが両国の証券規制を更新していくことを目的とした四度目のラウンドテーブルが開催され、その中でブロックチェーンの金融市場への応用についても議論が行われた

IMFエコノミスト、デジタル通貨はドルの支配力に取って代わるものではないとの見方

ECBラガルド総裁、CBDCの研究継続に意欲を示す

中国「暗号法」の全訳記事

香港、暗号通貨交換業者むけに規制サンドボックス

韓国第4産業革命委員会(PCFIR)、デリバティブのような仮想通貨商品の提供を金融機関に許可すべきと提案

金融庁、仮想通貨取引は証拠金の2倍までとする方針へ

2. Crypto Adaptation: 暗号通貨の普及・応用

NY市で独自デジタル通貨構想

ベルリンのクリプトバンクBitWala、Bitcoinに加えてetherもサポート

Binance、豪州火災で寄付

SBIホールディングスとGMOインターネット、テキサスでマイニングへ。当初300MWから開始し2020年末には1000MWへ拡張予定

Coincheck、Liskステーキング

フレセッツ、秘密鍵をHSM(Hardware Security Module)で管理できるアップデートを実施

3. Decentralized Finance : DEXやトークンなど

CoinbaseによるDeFi入門記事。主要プライヤーとしてMakerDAO、Compound 、Uniswap 、Augur、Synthetix、PoolTogetherの概要紹介

BitfinexのEthfinexがスピンアウトしたDeversiFiのDEX、StarkWareとのインテグレーション通じてトラストレス保ったまま高パフォーマンス提供へ

4. Programable Security : プログラマブル証券関連

NBAプレイヤーSpencer Dinwiddieの年俸PSがついに発行へ

  • NBAプレイヤーSpencer Dinwiddieの年俸契約を担保にしたPSがついに発行されると発表

  • NBAから、規約違反であるとしてPS発行をやめない限り契約解消のプレッシャーをかけられていたが、3ヶ月遅れで発行の決行へと踏み切った

  • PS発行を通じて、自らのファンコミュニティ形成と、プロ選手の新たなマネタイズ手段の形成とを実現することが目標だと説明されている

Prime TrustがPSを利用した不動産証券化領域参入のために、PrefLogic社と提携へ

5. Financial Institutions : 金融機関による応用ケース

Signature BankとPrime Trustが企業の即時支払いサービス提供に向けて提携へ

  • ニューヨークに拠点を置く商業銀行のSignature Bankが自社が提供するSignet決済プラットフォームにPrime Trust社が提供するマルチアセット決済サービスを連携させると発表

  • 顧客に対して即時決済サービスを提供したいSignature Bankの思惑と、暗号通貨取引所以外に開拓を進められていないPrime Trustの思惑が一致した形か

平安保険、深圳市税務局と課税システムローンチへ。新たな課税管理システムを通じてスマート納税モデル構築をめざす

  • 平安保険と深圳市税務局が、ブロックチェーンおよびAI・ビッグデータ・クラウドコンピューティング等を用いてグレーターベイエリア(粤港澳大湾区:香港・マカオ・広東省珠江デルタ)におけるあらゆるタイプの納税者むけ課税管理プラットフォームを開発する合意に署名

  • 同地域における統合的課税管理にむけた新システムを両者で合同開発

  • 深圳ではブロックチェーン案件のETFも予定していることが発表されたばかり

R3社、イタリアの全銀行システムの銀行間決済をCordaブロックチェーン上で実施へ

6. Enterprise/Government : 非金融分野の応用ケース

オーストラリア政府がブロックチェーン応用のロードマップを発表へ

Tradelens、海運業者間の協業制限につき、連邦開示委員会によりアンチトラスト条項の例外としてクリアできたとのこと

Propy、米バーモント州で不動産登記トランザクションのトライアル実施。バーモント州では2018年に土地レコードへのブロックチェーン利用可能性について法案通過済み

米バージニア州、ブロックチェーン投票

国連、モンゴルでパイロット

ISID、地域農産品の生産履歴と取引状況を可視化する、 スマート農業データ流通基盤「SMAGt」を開発

7. Startup : 個別プレイヤー・アプリケーション

Thank My Farmer、コーヒー豆のサプライチェーン管理のモバイルアプリ

8. Articles : 論考

業務改善の歴史の中でブロックチェーンを紐解く

エネルギー業界×ブロックチェーン -Corda活用事例紹介-

9. Future Events : 注目イベント

CESDigital Money Track(1/7 at LAS VEGAS)

Hong Kong Blockchain Week(3/2–3/6 at Hong Kong)

Consensus(5/11–5/13 at New York)

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LayerX Newsletter for Tech (2019/12/23–2020/01/05)

Issue #39

今週の注目トピック

Satoshi Miyazaki(@satoshi_notnkmt)より

新年明けましておめでとうございます。本年も引き続き、LayerX Newsletterをよろしくお願い致します。年明けの第一号としまして、ConsenSysの提供するKaleidoプラットフォームにHyperledger Besuが加わったニュースと、スペインのCaixa BankがHyperledger Fabricベースの貿易金融プラットフォームであるwe.tradeに参画したニュース、ChainlinkがDEXプロトコルのLoopringとのインテグレーションを果たした件について、取り上げています。後ろに続きます、List編と合わせてご覧ください。

Section1: PickUp

Kaleidoプラットフォーム、Hyperledger Besuのプロダクションサポートを発表

  • 「Kaleido」は、AWSとConsenSysが立ち上げた、Ethereumを使ったエンタープライズ向けのブロックチェーンプラットフォームサービスである。この上でHyperledger Besuが利用可能になったことが発表された。本記事では、Hyperledger Besuの概要と、コンセンサスアルゴリズムやプライベートトランザクションおよびエンタープライズ向けクライアントといった特徴について紹介したい。

  • Hyperledger Besuは、Hyperledgerプロジェクトとして最初のEthereum実装であり、Enterprise Ethereumの要件を満たすもの。当初ConsenSysのPegaSysチームによって、コードネームPantheonとして立ち上げたもので、Besuの初期開発には50名の開発者が参画し、Hyperledgerプロジェクトにとって最初のパブリックチェーン互換として実装された。

  • コンセンサスアルゴリズムとしては、即時ファイナリティおよびパーミッションを備えたBFTコンセンサスアルゴリズム「Istanbul Byzantine Fault Tolerance (IBFT 2.0)」を採用している。IBFT 2.0ネットワークにおいては、トランザクションおよびブロックはバリデータと呼ばれる承認済アカウントによって検証される。既存バリデータは提案・投票を通じてバリデータの追加・削除を行う。即時ファイナリティを備え、フォークがなく、全ての有効ブロックはメインチェーンに含まれることが特徴。

  • プライベートトランザクション管理としては、ブロックチェーンネットワーク参加者のサブセットにのみ参照可能なプライベートトランザクションの実装として「PegaSys Orion」を備える。これは、トランザクションおよびコントラクトを、関係する当事者どうしのプライベートなものに保つもの。

  • また、Hyperledger Besu上に商用ライセンスのEthereumクライアント「PegaSys Plus」が構築されており、バリデータノードをリアルタイムで監視し、信頼性および一貫したアップタイムを確保するほか、SLAおよびベンダーサポート(9時間x週5日から24時間週7日まで)を提供する。このようにエンタープライズプロダクション版として、Hyperledger Besuのエンタープライズ向け適用を加速することが期待されている。

  • 今回Hyperledger BesuがKaleido上で利用可能になることによって、開発者にとってプロトコル選択の幅が広がることに期待したい。

スペインのCaixa Bank、貿易金融プラットフォーム「we.trade」に参画

  • 2020年1月3日、スペインのCaixa Bankが、we.tradeに参画したことを発表した。同銀行は、スペインで3番目に大きなレンダーであり、127カ国に展開し、3870億ユーロもの資産を管理している。

  • we.tradeは、Deutsche Bank、HSBC、KBC、Natixis、Nordea、Rabobank、Santander、Societe Generale、UniCreditら9つの銀行によって立ち上げられた、ブロックチェーンを基盤技術においた貿易金融プラットフォームであり、中小企業向けの資金融資を円滑に行うことを目的としている。

  • 本プラットフォームはIBMのHyperLedger Fabric上に構築されており、KYC機能や、貿易商品のトラッキング機能、資金の即時決済機能を搭載しており、短期的な資金需要が多く発生する貿易関連企業のニーズに応えるサービスとなっている。コンソーシアムメンバーである金融機関の承認を得ない限り、企業は利用できないため、we.trade上では、企業間で安全に取引を行うことが可能となっている。

  • 中国の広東省では、ブロックチェーンベースの融資プラットフォームのローンチが発表されるなど、中小企業にとっての資金調達コストを下げる文脈でのブロックチェーン活用事例が相次いで登場している。今後も欧米や中国の動向について、合わせて注目していきたい。

Chainlink、DEXプロトコルLoopringとのインテグレーションを発表し価格データフィードを提供へ

  • ChainlinkとLoopringが、LoopringのDEXプロトコルにおけるオラクルのインテグレーションを通じたコラボレーションを発表した。その第一弾が、DEXオーナーむけの価格フィードとしてEthereumメインネット上でゴーライブとなった。

  • Loopringは、ERC20トークン同士の交換が簡単に出来るサービスであり、zkRollupを用いてオフチェーンスケーリングを行うことが特徴。ゼロ知識証明を用いて全ての計算を検証可能なオフチェーンで行った上で、Ethereumチェーンには検証のために小さな証明データのみを提出する仕組みになっている。これにより、ブロックチェーンによるセキュリティ保証を保ちながら、スループットを高めることができる。

  • Chainlinkは冗長性あるオラクルネットワークとして、オンチェーンのスマートコントラクトに対してオフチェーンのデータフィードを提供。
    スマートコントラクトを安全に保ちながら、Web APIやエンタプライズシステムやIoTデバイスや他チェーンなどといったデータプロバイダーとの間で信頼できるアクセスを提供できる(2019/7/2付ニュースレター参照)。

  • Loopringとしては、例えばDEXオーナーが十分な量のステーキングをしているどうかの把握など、効果的に機能する上でオフチェーンインプットが必要であるとして、オラクルを重要視することになったとのこと。

  • ブロックチェーンに対してオフチェーンデータを提供するオラクルと
    オフチェーン計算を通じてスケーラビリティを高めるセカンドレイヤースケーリングソリューションを利用するDEX。オンチェーンとオフチェーンの接点で稼働する2つのプレイヤーのコラボレーションとして注目したい。

Section2: ListUp

1. Bitcoin

Bitcoin Genesisブロックから11年に

Bitfinexによる、Lightning Networkのインテグレーションの開発過程や学びについての共有記事

「Mastering the Lightning Network」、O’ReillyからQ4'2020に出版予定

Bitcoin Optech Newsletter#76の和訳リリース

2. Ethereum

ディフィカルティボム遅延Muir Glacierハードフォーク

Loopring ZkRollup

3. Bitcoin/Ethereum以外

Enigma、テストネット運用開始

Tapyrus、Tapyrus Core v0.3.0およびTestnet用のFaucetを公開

Mimblewimbleチェーン上に任意のアセットの発行/送付、その秘匿化を行うConfidential Assetsを導入するペーパー

OpenID Foundation、新たにeKYCおよびアイデンティティ保証のワーキンググループ設置

4. 統計・リスト

暗号に関する集中イントロリスト

DeFiロックされた価値の1年間の変遷

Messariのベスト10リーディングリスト

Matter Labsによるゼロ知識証明関連のリーディングリスト

Bitcoin・Ethereum他の暗号通貨統計リスト

5. 論考

ラストワンマイルの産みの苦しみに直面した2019年のブロックチェーン

Bitcoinの2019年トピック振り返り

開発者からみた2019年のブロックチェーン業界ふりかえり記事。DeFi、zkSNARKs、オラクルなどのトピック

L2技術が暗号資産取引サービスにも適用され始めた2019年

  • BitcoinではBitfinexがLightning入出金サポート開始、EthereumではzkRollupsやStarkDEXなど

2019年のWeb3トピック振り返り

  • IoTデバイスなどハードウェア(Helium, Orchid)、ストレージ(Filecoin, Areweave), DNS(Handshake, ENS)、dappプラットフォーム(Blockstack)、オラクル(Chainlink, MakerDAO, Compound, UMA)、ブラウザ(Brave)、SNS(Telegram、Facebook、Twitter)など

杭州で開催された“Lingting 2020”

  • 2020年は、コードからプロダクトそして一連の商用オペレーションに繋げる「engineering realization ability」が競争力になるとの見方を強調

  • Tencent、Ant Financial、WeBank、OneConnectなどそれぞれが金融やユーザーベースなどの強みを持つ

今後重要になる情報管理について

  • 証券トークンにおけるセキュリティを参加者アイデンティティ、アクセス認可コントロール、プライバシー保護の三要素で俯瞰

  • DIDモデルのような分散管理や、TEE・MPCといったプライバシー技術、アクセスノードコントロールによる認証認可など

ブロックチェーンベースのアイデンティティ管理ガイド

  • アイデンティティ管理システムとは?アイデンティティ管理におけるブロックチェーンやゼロ知識証明の有用性とは?分散IDsとは?自己統治型ID(SSI)とは?等

NIST(米国標準技術研究所)によるブロックチェーンアイデンティティ管理システム理解の手引き

ゼロ知識証明のユースケースまとめ。プライバシー、スケーリングの他、選択的開示やクロスチェーンでの証明への応用

6. 注目イベント

Financial Cryptography 2020(2/10–2/14 at Kota Kinabalu, Sabah, Malaysia)

Workshop on Coordination of Decentralized Finance(2/14 at Kota Kinabalu, Sabah, Malaysia)

Stanford Blockchain Conference (2/19–2/21 at Stanford)

EthCC(3/3–3/5 at Paris)

Hyperledger グローバルフォーラム(3/3–3/6 at Phoenix, Arizona)

MIT Bitcoin Expo 2020(3/7–3/8、Boston)

Cryptoeconomic Systems Conference (CES ‘20)(3/7–3/8、Boston)

EDCON(4/3–4/7 at Vienna, Austria)

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